CCI田口です。今回はGA4データによるLooker Studioによるダッシュボード作成について取り上げてみます。
まず、Looker Studioではダッシュボードを作成する際にあらかじめ用意されたデータソースを接続する流れとなります。そのデータソースの中には早い段階でGA4も用意されており、GA4データを接続する形で作成が可能ではありました。
ただし、GA4のデータソースを利用してLooker Studioでダッシュボードを作成するにあたり、2023年6月以前までは利用できないディメンションや指標があり、満足にダッシュボードが作成できないジレンマが発生していました。
このジレンマについては、2023年7月1日でユニバーサルアナリティクス（UA）が終了することもあり、Google社によってアップデートが行われました。それ以前にGA4データソースでLooker Studioで作っていたケースが分かりやすいですが、改めてGA4データを再接続すると以下の画面の様に、非常に多くのディメンション、指標がフィールドとして追加されていることが分かります。
このアップデートにより、セッションの参照元/メディア、あるいはセッションのキャンペーンなどのフィールドなど、ダッシュボードで利用する機会が多いディメンションが多く追加されました。そのため、これまでLooker Studioで使いたいディメンションあるいは指標が選択できずに不便な面があった問題がクリアになり、ある程度柔軟に必要な表やグラフが用意できる状態となっています。
下記はGoogleデモアカウント（Google Merchandise Storeサイト）のGA4データで作成してみたSampleダッシュボードです。
このような形でデータを表示させる表現は、現時点で十分に行えます。またLooker Studioならではのメリットとして、現状GA4のレポート画面（標準レポートや探索レポート）では利用できない計算指標が作れることが挙げられます。計算式が正しいか十分にチェックする必要はありますが、例えば新規率の計算指標を用意して追加表示するなどのカスタマイズが行えます。
一方で、GA4データソースを用いた形でLooker Studioダッシュボードを用意しようとした際の難点も残っています。Looker StudioにGA4データを接続する際の裏側の仕組みとしてGA4のレポート用API(Analytics Data API)が使われる形になりますが、1日の利用トークン量、1時間の利用トークン量に上限が設けられています。その影響で大量のトラフィック量を表示させようとしたり、複数ユーザーによってダッシュボードに対するアクセスが発生すると、ダッシュボードにデータが反映されなくなるケースがあります。
実際にどれだけのトークンが使用されているのかは、編集モードで作成した表、あるいはグラフ上の右クリックメニューから確認が行えます。
上記の右クリックメニューから赤枠の箇所をクリックすると、さらに詳細な使用量が表示されます。
この仕様は今後に向けてはGoogle社によりトークン量が増加するなどのアップデートを期待したいところではありますが、現状は以下のような対策が必要です。
前者については使用するグラフの種類の選択、あるいはスタイルの調整を丁寧に行う必要があり、Looker Studioの機能自体に対する理解度を深める必要があります。
ただ、多くのユーザーが訪れるメディアサイトなどでは限界があるため、その場合は後者で挙げた様に、BigQueryにエクスポートしたデータを用いてダッシュボードを用意することを推奨します。
実際に作成する場合はSQLクエリのスキルが必要であったり、またSQLクエリの利用量を抑えるためテクニックも必要となります。ただし、それによってUA時代に閲覧できていたページのナビゲーションサマリーなどをダッシュボード上で再現可能になるなどのメリットもあります。
BigQueryを活用することで例えばオフラインデータとGA4データの統合（オン・オフのデータ統合）も行える様になります。GA4では無償プロパティでもBigQueryのデータエクスポートが可能になったため、BigQueryの活用を検討することを推奨します。
CCIではお客様のWebサイトの傾向に合わせ、適切なデータソースの提案、またLooker Studioによるダッシュボードの作成を支援可能です。また、BigQueryの活用についてもご案内することが可能です。
GA4データによるLooker Studioダッシュボード、あるいはBigQueryを活用した展開にご興味がある場合は、ぜひ以下ページもご覧ください。