CCIアナリティクス担当の田口です。今回はGoogleタグマネージャーの管理に向けた「命名ルール徹底」の重要性について取り上げます。
昨今ですが、データの集計・分析においてはBigQueryを通じた方法、またBigQuery MLの活用、そしてGA4レポート画面でも「Insights」という機能で分析ツール上で統計的な分析結果が確認できます。
※上記はGoogleデモアカウントの「Insights」の表示例
しかしながら、今後ますます活用が進んでいく機械学習による分析・検証においては非常に重要なポイントがあります。機械学習を効果的に活用するためには、価値のあるデータを蓄積していく必要があります。その状況下で、今後はデータ計測の重要性がますます高くなる、と個人的には感じています。
Webサイトに特化して述べると、Webサイトのデータ計測では2点の重要なポイントがあると考えています。
そして本コラムでは後者に関して触れていきます。
現在、Webサイトで計測を行うにあたり、大半のケースでタグマネジメントツールを活用していると思われます。そして、その中でもGA4との連携性に強く、かつ無償で利用できるGoogleマネージャー(GTM)を利用されている機会は非常に多いと思います。
その他のツールではYahoo!タグマネージャーも代表的なツールでしたが、Yahoo!タグマネージャーは2024年6月30日で終了する運びとなったので、GTMの利用はさらに増加すると思います。
そのGTMに関してですが、良く陥りがちな点が「都度の設定追加や変更により、気づいたら相当数のタグが追加されており、当時の担当者でなければ整理ができない状態に陥る」事象です。作業当時は緊急性が高い状態が多いので、まずはタグを発火させることが最優先となってしまうケースがほとんどのため、この事象は避けられない状態とも言えます。
その中で、「せめてこの点だけ行っていれば…」と考えられる点が、表題にも上げた命名ルールになります。命名ルールがあれば、最低限で何の目的で用意されたタグ、トリガー、変数であるかはギリギリ把握することも可能です(もちろんタグの量によっては状況把握に時間を使うケースはあると思いますが)。
それでは、GTMでの命名ルールについて、述べていきたいと思います。
■タグの命名ルールの例
タグに関しては、冒頭に「AD_」「GA4_」といった形で、そもそもの利用用途を明確にすることを推奨します。
更に広告に関しては「常に発生するコンバージョン(CV)なのか」「期間限定キャンペーンのCVなのか」を明記しておくことを推奨します。この様にすれば後者については終了したら削除、あるいは一時停止が行いやすい状態になります。
■トリガーの命名ルール
トリガーについては、GTMの操作経験がある方ならご存じでしょうが、ページ表示に関するイベントタイプ、クリックに関するイベントタイプなどがあります。上記の様にイベントタイプでも表示されるとはいえ、トリガー名称にも冒頭につけておくと区分しやすくなります。
上記では、
といったルールでトリガーの名称を付けています。この状態だと、それぞれどの条件のトリガーとして作成されたものか、分かりやすくなります。
期間限定で発火するタグと連携するならば、「PV_2023●●●キャンペーン_応募完了ページ」とより具体的にしておくと良いかもしれません。
■変数の命名ルール
変数についても、トリガーとほぼ同様のルールが良いと思います。
上記のキャプチャでは、
この様な命名ルールにしています。
なお変数は以下キャプチャのような形で利用することが多いため、分かりやすい文字列にしておくとイベントパラメータをセットする際にもミスが少なくなると思います。
※イベントパラメータを題材としたコラムは以下。
【GA4】イベントパラメータとは?概念から設定、カスタムディメンションの登録方法まで解説!
なお、変数は永続的に活用する場合が多いので、キャンペーンの時に限定的に作成する、というケースは少ないかもしれませんが、キャンペーン独自という事であれば、タグやトリガーと同様に利用時期などが分かる文字列を含めておくと管理しやすくなると思います。
今回はGTMにおける命名ルールの重要性について触れてみました。もし現在活用しているGTMの管理がおろそかになっている様でしたら、タイミングを見計らって整備をしておくと良いかもしれません。その際には不要なタグやトリガーも削除することで、その後は作業がしやすくなると考えられます。
なお、GA4に関して言えば、CCIで導入作業をお任せいただいた場合、導入後には計測設計書を提供しています。導入後にお客様のご担当者様が振り返る際、「GA4のイベント●●●は、GTMでどのタグ、トリガー、変数が関係しているのか?」といった点が把握しやすくなると考えています。
その場合を踏まえ、GTMの設定時にはわかりやすい命名ルールを心がけている次第です。
今回はGTMにおける命名ルールについて触れてきましたが、「Webサイトでどのようなアクションを計測しておく必要があるか?」の要素についてはまた改めて別コラムで触れていけたら、と思います。
CCIは実装後のデータ活用に踏まえた導入支援を行っています。そして、GA4の導入実績は100サイトを超える数を誇ります。現状の計測状況、またGTM管理でお悩みでしたら、ぜひ下記ページもご覧ください。