コラム | CCI Analytics

Googleアナリティクスでdirect/noneに分類される理由は?対策も紹介 | CCI Analytics

作成者: 谷井 紗代子|Apr 15, 2022 7:36:00 AM

更新日:1月12日

   こんにちは。CCI アナリティクス担当の谷井です。

 

   皆さんは、Googleアナリティクス(GA)で分析を行う際に、

「参照元/メディア」レポートで「direct/none」の数値が多く上手く分析できなかったことはありませんか?

今回は「direct/none」に分類される要因とその対策について解説します。

 

 「参照元/メディア」レポートの「direct/none」とは、

本来は文字通りダイレクトに(直接)流入した場合に分類される項目です。

ただし、GA側で参照元がない、または不明と判断された場合もこの項目に分類されてしまいます。

「direct/none」の割合が多いと、参照元の大部分が不明となってしまうため

ユーザー行動を正確に捉えることが難しくなります。

 

「direct/none」に分類される主な要因は次のとおりです。

  1. アドレスバーに直接URLを入力

  2. ブックマークからの流入

  3. ユーザーによるオプトアウト

  4. サイトがSSL化されていない

  5. セッションが途中できれてしまった

  6. リファラースパムによるもの

  7. リダイレクトによる流入

  8. メールからの流入

  9. アプリからの流入

  10. QRコードからの流入

1~3については回避できる対策はありませんが、4~10はきちんと対策を行えば回避可能です。

各要因について詳しく解説していきます。

 

1. アドレスバーに直接URLを入力

 本来のdirectが意味する流入です。直接アドレスバーにURLを入力して流入しているため参照元はありません。これは正常な理由のため、防ぐことはできません。

 

2. ブックマークからの流入

 これも①と同様、本来のdirectが意味する流入です。ブックマークから直接流入しているため参照元はありません。こちらも正常な理由のため、防ぐことはできません。

 

3. ユーザーによるオプトアウト

 ユーザー自身がブラウザなどの設定でGAへ情報を提供しないように設定している場合、

参照元は不明になります。そのため「direct/none」に分類されます。

ユーザー側の設定によるものなので、対策はありません。

一定数は存在することになります。

 

4. サイトがSSL化されていない

 SSL化とはデータ通信を暗号化して、第三者にユーザー情報を盗まれないようにするセキュリティ対策です。サイトURLで「https://~~」のsがついていない場合はSSL化されていません。SSL化されたサイト(https://~~)からSSL化されていないサイト(http://~~)に訪問すると、セキュリティ上の観点からユーザー情報を引き継がないように処理されるので参照元が不明になり「direct/none」に分類されます。

対策としては、SSL化を行うことです。

SSL化されていない場合はSEOの評価にも影響を及ぼすため、サイト全体のSSL化をお勧めします。

 

5. 途中でセッションが切れてしまった

 ページの読込途中でページを閉じたり、ブラウザの戻るボタンをクリックした場合なども

参照元情報が引き継がれず「direct/none」になる場合があります。

仮に表示速度が遅くユーザーが途中で離脱してしまった場合などは、表示速度を改善することで回避できる可能性もあります。

 

6. リファラースパムによるもの

 リファラースパムとは正規の参照元URLを利用してスパムサイトへ誘導する悪質なURLのことです。正規の参照元URLに似たURLをレポートの参照元に表示させるといった悪質な行為です。こちらは管理画面から除外設定が可能です。

管理画面での除外設定は3パターンあります。

 
①ボットのフィルタリング機能をONにする  GAの管理画面上でフィルタリング機能をONにすることでGoogleに登録されている
  ボットを排除することが可能です。 
 
 GAの管理画面から「ビューの設定」をクリックします。
 「ボットのフィルタリング」にチェックを入れたあと、「保存」をクリックすれば完了です。
 
 
②URLをフィルタに設定する
  特定のURLを除外する場合は以下手順です。
管理画面のアカウントの「すべてのフィルタ」を選択し、「フィルタを追加」をクリック
以下のフィルタ情報を入力していく。
・「フィルタ名」を入力
・フィルタの種類⇒「カスタム」を選択
・フィルタフィールド⇒「参照」を選択
・フィルタパターンにURLを入力
 
 「すべてのウェブサイトのデータ」を選択し「追加」をクリック。
 最後に「保存」をクリックして完了。
 
 
③言語設定なしを除外する
リファラースパムの特徴として言語が設定されていないことが挙げられます。
  そのため、言語設定なしを除外すればリファラースパムを除外することになります。
 
  先ほどの「URLをフィルタに設定する」とほぼ設定内容は同じで、フィルタ情報を
  言語設定なしのパターンで入力します。
入力する内容は以下です。
・フィルタ名を入力
・フィルタの種類⇒「カスタム」を選択
・フィルタフィールド⇒「言語設定」を選択
・フィルタパターン⇒(not set)を入力
 
入力が完了したら、「すべてのウェブサイトのデータ」を選択し「追加」をクリック。
最後に「保存」をクリックして完了です。
 

7. リダイレクトによる流入

リダイレクトとはアクセスしたURLから他のURLに自動的に転送することです。

サイトリニューアルなどによりURLが変更になった場合など、自動的に新しいURLへと転送されるように処理することがあります。

このリダイレクトが間に入ることで、参照元が計測出来ず「direct/none」に分類されてしまいます。

 

8. メールからの流入

ユーザーとのコミュニケーションでメルマガ配信を活用していることもあると思います。

outlookなどメールソフトを利用している場合、メール本文内に記載されたリンクからの流入はGA側では参照元を特定できません。そのため「direct/none」に分類されてしまうことがあります。

 

9. アプリからの流入

アプリからの流入も参照元を特定することができず、「direct/none」に分類されてしまいます。日本では代表的なコミュニケーションツールであるLINEからの流入もこれにあたります。

 

10. QRコードからの流入

サイト集客の手段のひとつで、チラシなどにQRコードを表示し、そこからサイトに訪問してもらうといった方法もあると思います。

こちらも何も対策を行っていなければ直接流入と判断されるため「direct/none」に分類されることになります。

 

7~10についてはパラメータを付与することで、どこから流入したかを判別することが可能になります。

 

パラメータについて

パラメータとはURLの末尾につける変数のことです。

末尾に「?」をつけて変数をつけ、どこから流入したかを判別することが可能になります。

どのメディアからどのキャンペーンで、どのクリエイティブから流入したかなどパラメータを設定することで分かるようになるため、広告配信の際によくリンク先URLに使用します。

GAに関しては以下のとおり「utm~」のパラメータを使用することでGAに情報の受け渡しが可能となります。

この5つのパターンを組み合わせて使用しますが、「utm_source」「utm_medium」「utm_campaign」の3つは必須です。

また、「utm_source=yahoo」のように変数と値を「=」を使って設定します。

変数と変数は「&」を使って繋げていきます。

 

例えば、メールマガジンからの流入にパラメータを付与する場合は

 
https://aaa.bbb.co.jp?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=220320
 

のようなURLとなり、オレンジの部分がパラメータです。

 

上記は参照元がnewsletter(メルマガ)、キャンペーンには配信した日付を入力しています。

メディアのemailはGA側で予め決められた分類定義で、メールからの流入の際に使用します。

※参考:https://support.google.com/analytics/answer/3297892?hl=ja
 

このようにパラメータを付与していれば、どこから、どのキャンペーンやコンテンツで流入したかが分かるようになります。

 

冒頭にもお話した通り、GAを使って分析を行おうと思っても、「direct/none」の占める割合が多いと正しいユーザー行動を捉えることが難しい状況になってしまいます。

そうならないためにも、今回解説した対策はきちんと行っていきましょう。

 
 

CCIでは解析ツールの導入や計測カスタマイズなどの支援を行っております。

ご興味のある方はお問い合わせください。