更新日:1月20日
※このコラムは2022年7月時点のGA4仕様に基づき、記載しています。
【2023/6/30追記】
改めて本件に関連するコラムを2023/6/30に公開しました。
CCI田口です。ユニバーサルアナリティクス無償版の計測終了まで1年を切ったことで、GA4を導入してデータ蓄積を始められている企業も多くなってきたかと思いますが、今回はGoogle広告経由の流入カウントに関して触れていきたいと思います。関係するものとしては「Google広告の自動タグ」と「UTMパラメータのオーバーライド許可」の2点です。
まずGoogle広告の自動タグについて説明します。Google広告の自動タグは、元々はiOSのITP(Intelligent Tracking Prevention)機能が開始された際にコンバージョン計測を担保するために追加された設定メニューです。
自動タグをONにしている場合、Google広告をクリックしてWebサイトに流入した場合、
https://www.analytics.cci.co.jp/?gclid=xxxxx
上記の様に「gclid」のクエリパラメータが付随する形でアドレスバーに表示されます。
※YouTubeアプリからのWebサイト流入などのケースでは「gclid」ではなく別のクエリパラメータ文字列となる場合もあります。
Google広告の自動タグON/OFFに関しては、Google広告管理画面に以下の設定メニューが用意されており、デフォルトではON(チェックが入った状態)となっています。
※参考:自動タグ設定について
次にユニバーサルアナリティクスにおける計測について説明します。
自動タグONの状態でWebサイトにアクセスが発生した場合、前述の通り「gclid」が付与されていることから、デフォルトではユニバーサルアナリティクスの参照元/メディアは「google / cpc」とカウントされます(Google広告とのリンク連携に関わらず)。
ただし、実際には流入施策の効果検証の都合でUTMパラメータを活用する事も多いかと思います。
・UTMパラメータの例(赤字がUTMパラメータ部分)
https://example.com/?utm_campaign=2022summer&utm_source=gdn&utm_medium=display
そこでユニバーサルアナリティクスでは、管理画面のプロパティ設定で 「Google 広告と検索広告 360 の統合で、手動タグ設定(UTM 値)による自動タグ設定(GCLID 値)のオーバーライドを許可する」
という項目が用意されています。
この項目にチェックを入れれば、UTMパラメータで用意した文字列で上書きする形で流入元情報を分類する事が可能です。
なおUTMパラメータに関しては既に別のコラムでも取り上げていますので、詳細を把握されたい方はご覧ください。
それではGA4を利用している状況で、Google広告の自動タグがONかつUTMパラメータを利用して流入元を分類しようとすると、GA4ではどの様に集計されるでしょうか?
結論から言えば、GA4の参照元/メディアはUTMパラメータで用意した文字列ではなく「google / cpc」で計測されます(本コラムの執筆時点)。
その理由ですが、ユニバーサルアナリティクスで用意されている「オーバーライドの許可」の設定メニューがGA4では用意されていないためです。その結果、UTMパラメータの文字列で流入元情報の上書きが行えません。
この状況から、ユニバーサルアナリティクス(UA)とGA4で
デフォルトチャネルグループ別の数値を比較する
UAの「参照元/メディア」レポートとGA4の「トラフィック獲得」レポートの数値を比較する
上記の数値比較を行うと、Google広告流入は数値が大きく乖離する事が予想されます。
来年7月1日までUAは継続利用が可能なため、しばらくはUAでデータ検証を行えば本事象は影響は生じませんが、GA4プロパティしか用意されていない、という場合は本事象を回避する方法としては、以下が挙げられます。
GA4とGoogle広告のリンク連携を行い、UTMパラメータを利用しない この場合、Google広告で付与したキャンペーンや広告グループ、キーワードが自動反映されます。その為UTMパラメータの利用自体が不要となります。 なお、リンク連携を行うとGA4管理画面には広告配信費も表示されます。 ※UAの計測都合から、UAとGoogle広告のリンク連携も必要です。
(リンク未連携の場合)Google広告の自動タグをOFFにした状態で、UTMパラメータを利用する この場合、Google広告のITP対策が無効化される形になります。その為、Google広告におけるコンバージョン計測数値に影響が生じる可能性があります。 ※コンバージョンを追跡しないキャンペーンの場合はこの影響は発生しません。
この事象については、仮にリンク連携を行った場合でも、自社ルールにおける広告施策の分類を行う事を目的にUTMパラメータを活用したいケースも多いかと思います。
GA4は現在も都度アップデートを行っているため、UAと同様に「オーバーライドの許可」メニューが追加されることを期待したいところです。
最後になりますが、CCIは本コラムでご説明しているナレッジを踏まえつつGA4の導入や計測カスタマイズの支援を行っています。ご興味のある方は下記からお問い合わせください。